はじめに
出会いはtwitter。 フォローしているBot、ひとひら言葉帳(@kotobamemo_bot)で流れてくる美しい言の葉の数々。 その中に、ときどき「こ、これは……!」って思うものがあるのですが。 作者が笹井宏之さんである確率がとても高くて。 (実はもう一方、江國香織さん率も高かったのですが、それはまた別の機会に。)
調べてみると、享年26歳。6年前に亡くなられていたのですね。 本Blogの筆者は現在29歳なのですが、自分の今の年よりも若くして亡くなられた方が、 その短い人生の中できらりと紡いだ言葉だと思うと、居ても立ってもいられず。 気付いたら、彼の作品集を手にとっていました。
感想
詩集なので、その1つ1つが美しい作品です。 転記するのも若干気が咎めるのですが、ネット上には氏が作品を公開しているので、 問題ないだろうという考えの元、特に私が気に入った6首の短歌について、記載したいと思います。
・22頁:切れやすい糸でむすんでおきましょう いつかくるさようならのために
・25頁:ふわふわを、つかんだことのかなしみの あれはおそらくしあわせでした
・36頁:栄光の元禄箸を命とか未来のために割りましょう、今
・44頁:今夜から月がふたつになるような気がしませんか 気がしませんか
・51頁:廃品になってはじめて本当の空を映せるのだね、テレビは
・117頁:生涯をかけて砂場の砂になる練習をしている子どもたち
どれもどこか人生を達観していて、寂しくて切なくて、それなのに暖かみのある。 なんとも味わい深い作品ばかり。心にずしりと来る(けど、重くない。)。たまらん詩集でした。
上記は私の好みなのでだいぶ偏っていますが、ジャンルとしては生き様やら恋やら愛やらはもちろん、 ジャンルという枠組みにも縛られないような独創的な作品もあり、本当オススメです。
点数とか付けるのもアレですが、強いて言えば、私の主観で84点くらいです。
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