れあこん

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【ネタバレ】親友の物語 - シュガー・ラッシュ:オンライン レビュー

2019年最初の映画は『シュガー・ラッシュ:オンライン』。
今年は沢山の映画に出会えますように、という思いを込め、初詣帰りの元旦の夜に観てきました! www.youtube.com

概要

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シュガー・ラッシュ:オンライン
カーレースゲームのバグキャラであるヴァネロペと、レトロゲームの悪役であるラルフの友情を描いた本作。インターネットを舞台にはちゃめちゃな二人が大暴れする物語です。
大親友の二人だけれど、ヴァネロペがインターネットに出て世界と触れるにつれ、次第に自分が知らなかった別の世界への興味・好奇心が大きくなっていき、その結果ラルフとの友情にヒビが入ってしまう……親友とは何か?を考えさせられる作品でした。

感想 ※ネタバレ

ゲームのキャラクターの裏側

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ゲームのキャラクターの裏側 / シュガー・ラッシュ:オンライン

本作を初めて見て驚くのは、アーケードゲームのキャラクター達がそれぞれのゲームの世界の住人で、互いの世界を行き来しているという世界観。 前作を観ていなかったこともあり、この設定がとても斬新に、興味深く映りました。 そして、友情出演的にちょこちょこ登場する春麗やベガ・ザンギエフと言ったストリートファイター勢・ソニックと言ったキャラクター達に思わずにんまり。 TVゲームと言ったら日本ですよね。日本人なら本作をより楽しめるのではないでしょうか。

ディズニーが描く”インターネット”

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ディズニーが描く“インターネット” / シュガー・ラッシュ:オンライン
ヴァネロペ達がWiFiを通じて飛び立った世界、そこはインターネットの世界でした。 そこで描かれているのはとても可愛らしくモデリングされた、ディズニーの解釈による”インターネット”。
FacebookYouTubeAmazonと言ったネット世界の巨人がビルで描かれているのは元より、鳥の囀りで描かれるTwitterに、アルゴリズムを司るイエス。(神ってことですよね。)
とてもコミカルに、分かりやすく”インターネット”が描かれており、思わず見とれてしまいました。

ディズニープリンセス勢揃い!

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ディズニープリンセス勢揃い! / シュガー・ラッシュ:オンライン
中盤でヴァネロペが迷い込んでしまったプリンセス・ルーム。ここはショーの控え室として利用されており、何と!過去のディズニープリンセス達が勢揃いしているのです。 ヴァネロペに対して各作品のプリンセス達が問いかけます。
ラプンツェル「魔法の髪は?」 ヴァネロペ「ない」
エルザ「魔法の手は?」 ヴァネロペ「ない」
白雪姫「毒は?」 ヴァネロペ「ええっ!?」
ヒロイン達が次々とヴァネロペを質問攻めにする、このシーンの熱いこと熱いこと!
カメオ出演という枠を越えたこの共演に興奮すること間違いなし。

「あの娘は別のスタジオだから」

そんな中、メリダだけは他のヒロイン達と何処か噛み合わない様(本人は一切気にしていないが)。
彼女に対して掛けられた言葉「あの娘は別のスタジオだから」に、笑わずにはいられませんでした。
それもそのはず、メリダだけはピクサーキャラクター。隣のスタジオとはそういう意味なんですね。
期せずしてメタ的な内容がちょいちょい出てくるのも本作の面白いところ。笑わせていただきました!

ディズニーの思う『ヒロイン像』とは

ヴァネロペとプリンセス達の会話の中で繰り広げられる会話に、下記のものがあります。
アナ「強い男性に幸せにして貰ったってみんなに思われてる?」
ヴァネロペ「そう!でもそれが何なの?」
プリンセス達「本物のプリンセスよ!」
このシーンはとても象徴的だと感じました。
今までの作品では、強い男性に助けられ、幸せになることが描かれていることが多かったかと思いますが、本作ではそれを一刀両断しているように感じました。 自分の足で立ち、歩き、幸せをつかみ取るというヒロイン像。女性の社会進出の風潮が強くなっている現代で、新しい像をディズニーが提示しているのでは?と感じました。

ラルフの友情が大暴走。親友って何?

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ラルフの友情が大暴走。親友って何? / シュガー・ラッシュ:オンライン
ヴァネロペが新しい世界へと歩みを進める中で、ラルフのヴァネロペへの友情が暴走してしまいます。 結果的に巨大なモンスターとなったヴァネロペのコピーと戦うことに。このシーンは何とも言えない哀しみに満ちていました。

ラルフはずっと一緒にいたい、同じ気持ちで居たいと思っていたけど、それはヴァネロペを束縛することでしかなかった。 自分の理想を押しつけるのではなく、お互いにお互いを理解し合うことが本当の意味での大親友なんですね。 戦いの中で成長するラルフに涙せずにはいられませんでした!

おわりに

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おわりに / シュガー・ラッシュ:オンライン レビュー
個人的にとても好きなジャンルーーインターネットだったり友情物だったりーーだったこともあり、大変楽しく観賞出来ました。 映像の美しさや可愛らしさもあり、話のスピード感も凄く、方々に笑わせてくれる要素もあり、文句なく良作だと思います。 男女で性別は別なものの、最後まで恋愛方面にストーリーを倒すこと無く走り切ったのも好印象です。

そんな訳で、採点は86点です!年明け早々、いきなり昨年の最高スコア(84点)を抜いてしまいました。 2019年、幸先の良いスタートです。

シュガー・ラッシュ: オンライン (オリジナル・サウンドトラック)

シュガー・ラッシュ: オンライン (オリジナル・サウンドトラック)

2019/01/01 鑑賞@CINECITTA' (川崎)