れあこん

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判断基準は「この服を着るとモチベーションが上がる」 - たった1分で人生が変わる片づけの習慣<実践編> 書評

はじめに

自分の家に、マンネリというか、若干どんよりとした空気を感じておりました。
一念発起してそれを払拭しようと、掃除を進めるべく、押し入れから色々な服や書類を全部出して。
そんなこんなして疲れているときに、ふと出会った一冊です。
(たまたまcombu氏の本棚を見ている時に見つけて気になったんですが。笑)

当初、通常版を購入したつもりだったのですが、
手元に届いたのが実は実践編でして、具体的な片付け方の方法が満載でした。
ただ、単純に方法が乗っているだけでなく、そこに至るまでの考え方についても分かりやすく
説明されており、何故そうすると良いのか?のとても納得感のある説明がなされていました。
片付けなんて面倒臭いこと、頭でロジカルに理解・納得しないと、やろうという気にはなりませんからね。
もっとも、理論的に分かっていても身体がついていくかというと、それはまた別の話ですが。笑

印象的なフレーズ

本文中でとても印象に残っている内容や表現、言い回しを抜粋しました。

食事をしたら、食器を新國運んだその流れでお皿洗いを始めてしまいましょう。
最悪でも食後30分以内には始めること!「明日やろう」は「しばらくやらない」を意味します。

⇒特に最後の表現が良いですね。プロポーズ大作戦の名言「明日やろうは馬鹿野郎」を思い出します。

モノは、本来有るべき姿で使ってあげると、120%の力を発揮してくれます。」

⇒その通りだと思います。私も本来の姿とかけ離れた状態になっているモノがいくつもあるので、
現在進めている掃除を機に、そのモノのパフォーマンスを引き出せるような状態に持って行きたいです。

判断基準は「着れるか/着れないか」ではない
「この服を着るとモチベーションが上がる」という服を残しておきましょう。

⇒クローゼットの掃除で悩んでいた私にとって、まさに金言でした。
 着られるTシャツが何枚も何枚もあり、勿体無くてあまり好きでない服に埋もれている……
 そんな私の様な状態の方は是非一度読んでみていただきたいと思います。

すぐやるのも、3日後にやるのも、いずれやらなければならないということには変わりがない
すぐに行動を起こしさえすれば、それだけ質の良い仕事ができ、良い結果を得ることができる

⇒まさにその通りです。
 どのみちやらなければいけないことなら、とっととやって終わらせてしまえば良い。
 本書は基本的に片付けをメインに論を進めていますが、
 こういった話はそこにとどまらず、生活のあらゆる面に波及する考え方ですね。

情報の量と幸福度は反比例する
どうでもいい情報に振り回されて、つまらないことに時間をとられてはいないでしょうか。

⇒インターネットが普及した現代に生きる人々にとって、情報社会に対する強烈なアンチテーゼになっています。
 情報の海で溺れてしまい、もったいない時間の過ごし方・不幸せな生き方をしていることを痛感させられます。

「モノを大事にする」ということと、「モノを捨てない」ということはイコールではありません。
モノは生かされてこそ、価値が出てきます。使わないモノをガラクタ同然で持っていても、かえってモノがかわいそうです。

⇒捨てるということに大してMOTTAINAIという感情を持つ人は多く居ると思います。私もそうです。
 ですが、それは単純に「所持していたい」というエゴになっているのではないか?ということですね。
 モノを捨てることを自分に納得させることができる、素晴らしい考え方だと思います。

本書を読み終えて

この言葉に本書を記載した筆者の思いが詰まっていると言っても過言ではありません。

片付けは、あなたが思い描いている人生を実現させることの出来る身近な方法なのです。

人生を変え、夢を実現できる。そんな大きな話の最初のステップになりえる「片付け」。
始めるときの最初の一押しは少し大変だけれど、それで人生が上手いこと変わるなら、まずは少し頑張ってみよう。
そんな気持ちになれる良書でした。