れあこん

書評、映画評、音楽評など、各種レビュー記事を掲載しています。

楽しいことを考えろ - PAN〜ネバーランド、夢のはじまり〜 レビュー

はじめに

前回に続きTOHO CINEMASのシネマイレージ・ウィークでに見て参りました。2本目は『PAN〜ネバーランド、夢のはじまり〜』。ピーターパンの物語ということで、幼い頃童話が大好きだった筆者には堪りません。期待を胸に映画館に足を運びました。

概要 ※映画.comさんより抜粋させていただきました。

ロンドンの孤児院に暮らす少年ピーターが母親を探すためにネバーランドに旅立ち、若き日のフック船長やタイガー・リリーといった仲間たちとの出会いや、ネバーランドを牛耳る海賊・黒ひげとの戦いを経験していく姿を、ファンタジックな映像美とともに描く。

感想/印象に残ったフレーズ

本作、1にも2にも映像が美しい!もちろんそれだけではないのですが、最も印象的だったのは映像ですね。観ているだけで幸せな気分に浸れる、ファンタジックな映像美。いやはや、堪りません!
1.空飛ぶ海賊船
2.妖精の国を探すBGM
3.海賊黒ひげ……?

空飛ぶ海賊船

ピーターが船に乗せられて孤児院から出発した直後。海賊船がいきなり空を飛んだかとおもったら、海辺に降りてきてドリフトを決めるのです。華麗に海の水にブレーキを掛けながら、再度空に飛び立っていく、この展開が格好良くて堪りませんでした。アクションだけでここまで魅せられるのか……!と感嘆しました。

妖精の国のBGM

劇中、フックが海賊船に乗って人間の世界に帰り、タイガーリリーとピーターで妖精の国を探すため歩き出すシーンがあります。 この場面の音楽が正にファンタジーといった具合で堪らないのです。これは是非本編を観て味わっていただきたい……!

海賊黒ひげ……?

ここまで本レビューを読まれた方で、童話のピーターパンをご存知の方は疑問に思うはずです。黒ひげ?あれ、ピーターパンが戦ったのはフック船長じゃないの?と。 本作の設定の妙が正にここにあります。フックが、いわゆる"フック船長"になる前の時代背景でのお話なのです。

それを思わせる描写が本編にもいくつか出てくるため、観客は思わずにやっとしてしまう仕掛けになっています。 例えば、カヌーで海を旅しているシーン。ワニが襲ってくることを知ったフックは、ピーターやタイガーリリー以上に、必要以上にワニを怖がるのです。まるで何かの予感がするかのような。 次に、非空挺の上でピーターとフックがどっちが船長なのかを話し合ったシーン。ピーターがフックに対し、「フック船長だ!」と宣言します。ここから悲劇の未来が始まるんですね。 そして、本編のラストで、パンが自分が居た孤児院に戻ったシーン。「彼は海賊なの?」と問いかける子供に対して「今はまだね」(うろ覚えですが)と答えます。これから戦うことを暗示しているかのように感じられます。

おわりに

というわけで、本作の採点は、87点です。 ストーリーにもニヤニヤさせられましたが、何よりも世界観を表現仕切った映像美・音楽美、これに尽きると思います。Blu-Rayが発売したら是非もう一度観てみたい。そう思わせてくれる傑作でした。

ピーター・パン & ピーター・パン 2 ネバーランドの秘密 / DVD3枚組

ピーター・パン & ピーター・パン 2 ネバーランドの秘密 / DVD3枚組

2015/1/08 鑑賞@TOHO CINEMAS 川崎