れあこん

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I am not fast. - ベイマックス レビュー

はじめに

「白い巨体の変なヤツ」

ベイマックスを初めて見たときの率直な感想でした。 この子がどんな活躍をしてくれるのか?はたまた実は黒幕なのか? 『アナと雪の女王』で高く高く上がったハードルに対して、 ディズニーはどんな作品を提供してくれるのか。 期待と不安に胸を躍らせながら映画館に向かいました。 以下ネタバレ含むレビューです。

ストーリー

科学ヲタクが世界を救う!といったテイストのお話。

序盤は、天才な主人公がふとしたきっかけから一心不乱に研究にのめり込み、 障害を越えつつ、素晴らしい成果をあげていく。いわゆる理系な方が燃えそうな脚本でした。
※理系ではないですが、私も燃えた1人です。笑
大学入学を目標に邁進する主人公の姿は、 日々の勉強や仕事を頑張っている方々を勇気づけるのではないでしょうか。

さて、ストーリー終盤以降の展開には疑問符を付けたいところ。 そもそもですが、黒幕が教授なのはちょっと好みでは無かったですね。
※正直、伏線がなさ過ぎて、唐突感が否めませんでした。

そして、教授へ復讐を果たそうとする主人公を止める研究室のメンバー達も何だかなぁと。 彼らにとっては長く付き合ってきた先生かもしれんけど、 主人公からしたら教授とは(憧れはあったものの)ほぼ関係の無い人なので。 それなのに、そこで思い留まって、教授を捕まえる方向にシフトする主人公も主人公ですね。
※結果的に、教授が意図的に兄を殺した訳では無かったので、殺さないで良かったのですが。
ただ、結局一番哀しい思いをしたのは主人公、というのは切なかったですね。

アクション

3Dのキャラ達がぐりぐり動きますね。凄いです。 私的にはゴー・ゴーが円盤を武器に、黒幕の居る島でそこかしこを走り続けるシーンが堪りませんでした。 アドレナリンが出ること出ること。 後から知ったのですが、マーブルが原作ということも影響しているのでしょうか。素敵アクションアニメでした。

舞台設定

舞台、とても面白かったですね。 ロボット=ハイテク=日本というイメージが強いのでしょうか、 主人公もハマダさんだし、舞台となっている街も『サンフランシスソウキョウ』。 おそらくサンフランシスコ+東京なのでしょう、そのものズバリなネーミングにほくそ笑んでしまいます。 町中は日本語が入り乱れており、見ていてニヤニヤが止まりません。 そして、風景・夜景はとても美しく。巨大な橋や高層ビル群の素敵さと言ったら。 ストーリーを度外視して街中の映像を観ているだけでも楽しめそうな程でした。

音楽

全体的に違和感なく、というか殆ど覚えていないくらい世界観に溶け込んでいました。 印象に残っているのは、仮面の男との島でのバトルシーンですかね。あのシーンの曲はとても熱かったです。 あともう1シーン、やけにアメリカンな曲が流れてきて印象に残ったのですが…… 覚えてる人いらっしゃいましたら、そっと教えてくださいm(__)m

総評

なんだかんだ書きましたが、私的には92点。 新年早々にいきなり超高得点ですが、それだけ心にクるものがありました。

ベイマックスと主人公の最初の絡みに笑い、 主人公が大学に入る為に努力するところで心躍り。 そもそもの素材に加え、話のテンポやストーリーの良さも相俟って、とても気分良く見ることができました。