読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

れあこん - Rare Cheesecake Complex

書評、映画評、音楽評など、各種レビュー記事を掲載しています。

亜原子の世界から戻ってくる方法があるというのか?! - アントマン レビュー

はじめに

マーブルの最新作!
アイアンマンやらアベンジャーズやら派手な作品が多いマーブルですが、
今回は一風変わったアリサイズに変身できるスーツを着た男が主人公。ど派手さがウリのスタジオですが、さてはて本作ではその特色はどう反映されるのでしょうか。

概要 ※映画.comさんより抜粋させていただきました。

仕事もクビになり、養育費が払えないため最愛の娘にも会えないスコット・ラング。
そんな崖っぷちのスコットに、謎の男ハンク・ピムから意外な仕事のオファーが届く。
それは、体長わずか1.5センチになることができる特殊スーツを着用し、
アントマン」になるというものだった。選択の余地がないスコットは渋々ながらもアントマンとなり、人生をやり直すための戦いに乗り出す。

感想/印象に残ったフレーズ

マーブルの中ではかなり異色でしたが、中々に楽しむことができました。 本作でとても印象に残ったのは以下のシーンですね。

出だしでいきなり「トニー・スターク」の名前が出てきており、 アイアンマンと世界観が繋がっているのだなとニヤッとしてしまいました。 マーブルファンには堪りませんね。 ですが、本作の主人公や、アントマンスーツの発明者は アベンジャーズに対して非好意的な立場の人達として描かれておりまして。 それぞれのヒーローの派手さ・地味さというコントラストも相俟って興味深かったです。

さて、そんな本作ですが、私の印象に残ったのは以下の4つです。
 1.ダレンが打つサイズを縮小するビーム
 2.ムショ仲間のルイスのトーク
 3.アントマンとイエロージャケットの戦闘
 4.亜原子サイズにスコットが縮み続けるシーン

1つ目。
アントマンスーツを製造したピムの弟子、ダレン。 彼がビジネス相手に対してビームを打つと、相手は小さな肉塊になってしまう。 こぷこぷ蠢いている、人ならざる形となってしまった”ソレ”を 紙で一拭きしてトイレに流してしまうシーンです。 ここでは一見ダレン(敵)の凶暴さ、狂気を描いていますが。 それ以上に本作の背景のヘビーさ・奥深さ・そして気持ち悪さを感じさせてくれます。 小さな肉塊に至ってはR15でも良いのでは?と思うほどの演出で。 人によっては吐き気を催すのではないでしょうか…… アントマン、一見ライトな作品に見えますが、その第一印象をぶち壊すシーンでした。

2つ目。
ムショ仲間のルイス。彼がまた良い味を出しているんです。 完璧な脇役なのですけれど、気の良いギャグ好きなおっさんと言った感じで。 彼の馬鹿なトークは、小さな子供なんかは特に好きなんじゃ無いでしょうか。

特に、スコットに対して、泥棒をするよう勧誘しているシーンは面白かったですね。 「ああ、エミリーってのは初体験の相手で」「本題に行け」といった スコットとの掛け合いは、重苦しい本作の中での清涼剤になっていました。

3つ目。
本作のクライマックスでイエロージャケットを着たダレンとアントマンが戦います。 ですが、そのシーンの演出が実にコミカルでして。 例えばアイアンマンであればど派手に飛び回ったりビーム打ったりするじゃないですか。 ソーであれば雷で一網打尽にするじゃないですか。

でもアントマンはそんなことは出来ない。超速でパンチを繰り出すのみ。 戦闘スタイルはただただヒットアンドアウェイ。 しかもアリサイズで戦っているから、例えばアントマンが大きな建造物を投げても、 それは現実世界の人間の視点に戻すと、おもちゃの家が飛んだ程度の事実なんですね。 この「箱庭の中の戦争」感がなんとも言えなかったです。 敢えてちゃっちいと分からせるような演出をしているんですかね?

また、逆に物体を巨大化させるようなシーンもありました。 機関車トーマスが巨大化して家を壊すんですね。そして目がきょろきょろ動く。 シリアスなシーンにこんなとんでも描写を混ぜてくるので、 とてもシュール……シュールを通り越して、むしろ気味悪く感じられました。

さて、最後4つ目。
主人公のスコットが上記の戦闘で勝つために禁断の技である 原子サイズへの縮小をおこなうシーンです。 アントマンスーツの制御が効かなくなってしまい、 時間という概念の無い世界で永遠に縮み続けることになったシーン。 もうこの設定だけでも身の毛もよだつのですが。 加えて、このシーンの映像表現がとても美しくて。 特に最後に紅〜紫色のダイヤのような世界でぷつっと消えてしまう演出。 人智を越えた世界、誰も訪れることのない世界で、 大切な・素敵な宝石を見つけた様な、そんな感覚に襲われました。 「この描写こそがアントマンという作品の全て」といっても過言ではない、 と思ってしまえるほど。それくらい印象に残るシーンでした。

おわりに

ハリウッドの技術をふんだんに使った愛すべきB級映画でした。 とっつき辛い部分もあるけれど、思わずクスッとしてしまうシーンも多く…… 採点としては80点です。

エンディングの後にアベンジャーズ入り?しそうな表現があったので、 恐らくアベンジャーズ3が実現すれば、参戦してくるのでは無いでしょうか。 アイアンマンやキャプテンアメリカとの掛け合いが今から楽しみでなりません。