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れあこん - Rare Cheesecake Complex

書評、映画評、音楽評など、各種レビュー記事を掲載しています。

ここはパリだもの。わかるでしょ? - ミケランジェロ・プロジェクト レビュー

はじめに

TOHO CINEMASが2015/11/07〜13まで会員限定サービスをやっていました!通常1400円の入場料ですが、この期間中はいつ見ても1100円!普段私はレイトショーorナイトショーで1300円で見ていますが、それよりも安い!ということで2本ほど見て来ました。

まずは1本目、ミケランジェロ・プロジェクト。ナチスが相手で戦う辺りは過去に記事にした『イミテーション・ゲーム』や『チャイルド44』を彷彿とさせますが、本作では一風変わって芸術作品を守る戦いを繰り広げます。果たして……

www.rarecomp.com

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概要 ※映画.comさんより抜粋させていただきました。

ヨーロッパ各国に侵攻したナチスドイツが歴史的に重要な美術品の略奪を繰り返していた第2次世界大戦下、ルーズベルト大統領から建造物や美術品を保護する任務を託された美術館館長フランク・ストークスは、7人の美術専門家で構成される特殊チーム「モニュメンツ・メン」を結成し、危険な状況下で美術品保護のための作戦を遂行していく。

感想/印象に残ったフレーズ

観終わった後の率直な感想は、「登場する仲間達が多くて誰が誰だか分からん」でした。顔が似ている人が多かったりストーリーが早かったりといった理由もあるかとは思いますが、どんな個性を持ったキャラクターなのか、全員を把握することが困難でした。

本作は冒頭でも記載しましたが、芸術作品を守る部隊のお話。ジョージ・クルーニー演ずるストークスが渋格好良く、その格好良さに助けられた作品だと思います。

※余談ですが、ジョージ・クルーニーは以前レビューした『トゥモローランド』や『ゼロ・グラビティ』でも主演されていました。ここ数年ノリにノっていますね。

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さて、印象的だったシーンは以下の2つ。
1.ここはパリだもの。わかるでしょ?
2.人の命と、芸術作品の価値・重さ

1.ここはパリだもの。わかるでしょ?

フランスはパリで、本作の紅一点で恐らくヒロインポジションであるシモーヌシモーヌが芸術作品が何処に行ったのか?その情報をジェームズに渡す代わりに、夜のお誘いをするシーン。ここでまさかのジェームズが断るという流れ。シモーヌ自身確かに野暮ったく描かれているのですが、普通の映画作品でしたら一旦メイクラブした上でストーリーに戻るはず。ここでジェームズが何もせずに芸術品の捜索に戻るという男気溢れる行動をやってのけます。

監督はモニュメンツ・メンの任務の厳しさを表したかったのでしょうか?それとも、芸術かぶれの野暮ったい女性はそういった対象にすらならないということを表現したかったのでしょうか。思わず笑ってしまいましたが……もし笑わせることが狙いだとしたら、脚本としては大成功ですね。

2.人の命と、芸術作品の価値・重さ

ラストシーン。大統領でしょうか?偉い人に問われたジェームズ。 ミケランジェロの聖母子像の奪還に人の命が沢山犠牲になった。その価値はあったのか?と。芸術作品と人の命を天秤に掛けたときに、人道的な立場から人の命を優先するべきでは無いのか?という問いです。

本作では、その問いに対し、きっぱりと「No」と言っています。この部分の潔さ、大変興味深かったです。デリケートな内容故にぼかしごまかしエンディングを迎える・あるいは人の命の方が大事だよね、という作品が多い中、本作ではそれを明確に否定しています。芸術作品とは過去の偉人が作ったものであり、沢山の人が生まれ、死に、それでもずっと命が続いていくのは、そういった優れたものを脈々と受け継いでいくため。本作は「人はミームの乗り物でしかない」ということを地で行った作品なのだなと感じました。

おわりに

本作の採点ですが、66点です。
物語としてはもっと楽しい魅力あるものに出来るはずです。キャストなんかとても魅力的に見えたのですが、いかんせん物語の流れや演出がよろしく無かったですね。監督が伝えたい思いを伝えることは出来ているかと思いますが、それを映像作品・娯楽作品としての完成品に仕上げる部分がお粗末で、とても勿体無かったです。

以下、余談ですが。
外国で上映された際のタイトルはThe Monuments Menだったのですが、国内ではミケランジェロ・プロジェクトになっています。過去に様々な作品が国内で上映される際に付けられた邦題で文句を言われているかと思いますが、本作についてはとてもぴったり・洒落たタイトルを付けたなぁと感心しきりでした。

MONUMENTS MEN

MONUMENTS MEN

2015/11/07 鑑賞@TOHO CINEMAS 川崎