れあこん

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9番パドック、オープン! - ジュラシックワールド レビュー

はじめに

ジュラシックパークの後継作。 小さい頃に観たことはあるものの、正直朧気で、余り記憶や印象もありませんでした。 ですが、たまたま映画館で「ジュラシック」の名前を目にし、「恐竜の大暴れでも観るか!」と思い、そのまま観ることにしました。

概要 ※映画.comさんより抜粋させていただきました。

事故の起こった「ジュラシック・パーク」にかわり、新たにオープンした「ジュラシック・ワールド」では、 ジャイロスフィアという球体の乗り物でめぐる恐竜見学や、モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。 さらなる人気を獲得したい責任者のクレアは、飼育係オーウェンの警告も聞かず、遺伝子操作により、 凶暴で高い知性をもった新種の恐竜インドミナス・レックスを作り出すが……。

感想/印象に残ったフレーズ

子供が好きそうな映画だな、というのが観終わった感想でした。
印象的だったのは以下のシーンです。
1.翼竜の襲来
2.オーウェンの疾走
3.インドミナス・レックスの先頭
4.戦いが終わって……

1つ目。
これがもっとも印象に残ったのですが、 翼竜の大群が市街地に押し寄せるシーンが壮絶でした。 これは凄かったですね。空から襲ってくるから常に見られている状態で。 建物の中に入っても壊して襲ってきて逃げ場がありません。 人々の恐怖がスクリーンを通じて痛く伝わってきました。

2つ目。
主人公であるオーウェンラプター達を従えて インドミナス・レックスの元に向かって疾走するシーン。格好良すぎます。 ※到着直後にラプター達に裏切られるのが切なかったですが。

3つ目。
戦闘シーンですね。これはもちろん素晴らしかったです。 ただ、インドミナス・レックス対ティラノサウルスの1on1は正直物足りなかったです。 なんというか、着ぐるみを来た人同士の取っ組み合いのように見えてしまって。 ちょっとちゃっちい印象を抱きました。

その分、ラプターティラノサウルスが手を組んで戦うシーンはとても燃えました。 1度はインドミナス・レックスの元へ裏切って行ったラプター。 最後にオーウェンの声掛けに、今までの信頼関係を思い出し、巨大な敵に立ち向かって。 そして、スピードを武器に華麗な攻撃を繰り出していくのです。 いやはや、格好良いのひと言です。胸が熱くなる展開でした。

4つ目。
最後、避難所で沢山の人が悲しんでいるシーンですね。 日本人特有だと思いますが、3.11の避難所の方々の映像を 思い出して少しホロッときました。あの地震を経験した人は、 本作に限らずこういったシーンを観る度に思い出すのですかね。

さて、以下は観ていて疑問・不満を抱いた点です。

本作、恐竜を見せる為の映画、ということは分かっていたのですが、 ストーリーは無茶苦茶……あまり意味を求めてはいけませんね。 子供2人のうち兄・ザックが好き放題して弟・グレイを危険に巻き込んでいるのに、 グレイはそんなザックを最後まで信用しきっています。 これが兄弟愛と言われると、疑問を感じざるを得ません。

また、ヒロインのクレアにしても、自分の欲のために観光客や オーウェン達を危険に追いやってしまっています。 兄弟の母・カレンからのお願いもそこそこに好き放題やった結果がこの映画です。 なんというか……もっと真面目な脚本でないと、感情移入は全然出来ないと感じました。

加えて、終盤で突然出てくるティラノザウルス。 ティラノザウルス、などと書いていますが、最後に出てきた恐竜がティラノザウルスだと いうことも、映画が終わってからネットで情報を読んでいて知りました。 9番パドックに秘密兵器が居るなんて伏線なかったので、唐突過ぎました。 前作を観ている人で無いとついていけないラストの展開に正直ガッカリしました。

おわりに

採点としては69点です。
映像は勿論凄い、文句ない、流石ハリウッド!といった感じでした。 ですが、ちょっとストーリーが適当過ぎやしませんか? 折角の大作なのに残念というか……本当もったいないですね。 もし次回作があるようでしたら、その辺りを改善したジュラシックな世界を期待したいと思います。

ジュラシック・ワールド (竹書房文庫)

ジュラシック・ワールド (竹書房文庫)

Jurassic World / O.S.T.

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