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れあこん - Rare Cheesecake Complex

書評、映画評、音楽評など、各種レビュー記事を掲載しています。

『無人在来線爆弾、全車投入!』 - シン・ゴジラ レビュー

はじめに

川崎良くやった』という評判を良く聞く本作。 映画に地方自治体が協力することで知名度が上がってうんたらかんたら、というまことしやかな噂に惹かれ……また、勿論、エヴァの監督である庵野氏の新作ということもあり、鑑賞してきました。

概要 ※映画.comさんより抜粋させていただきました。

ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が総監督・脚本を務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎を准監督に迎え、ハリウッド版「GODZILLA」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出す。内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じる長谷川博己内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインキャストに、キャストには総勢328人が出演。加えて、狂言師野村萬斎ゴジラモーションキャプチャーアクターとして参加している。

感想/印象に残ったフレーズ

64年の時を経てリメイク?された本作。 恐らく2016年現在の日本を舞台にしているのでしょう、現代版ゴジラとしてとても興味深い作品に仕上がっていました。ネットの情報の素早さ・それに対する組織社会の情報収集/意志決定の遅さなど、現代日本において課題と思われている事象を取り入れながら、主人公である矢口が現場主義で暴れ回る作品でした。が。とは言うものの、それが良い方に傾いてるかと言えば、必ずしもそうとは言い切れず。旧態依然の体制を壊して矢口の活躍を描きたいのかと思えば、そんなこともないようでした。『旧態』に当たる人々の描き具合が甘く、なんだかんだ有能だったり信念がある人が多いため、全く以てカタルシスに欠けます。矢口は矢口でそもそも官房副長官なので、そういった激しい展開を期待するのは筋違いなのでしょうか。

ヒロイン役であるパタースンが石原さとみである点も今一ピンと来ませんでした。アメリカを初めとする国連が、ゴジラへの核攻撃を決めていく流れになりますが、そのやりとりの多くを、見た目が日本人である石原さとみとおこなっています。この部分も正直臨場感に欠けます。誰でも良いとは言いませんが、分かりやすく欧米の女優さんをキャスティングした方が、東京への核攻撃の意味をより重く伝えられたのではないかと。
※念のため補足しておきますが、石原さとみの演技自体は素晴らしかったと思います。それだけにこのキャスティングは勿体無いなと。。。

そして、最終的には氷漬けになったゴジラ。ラストのシーンで「ゴジラが発した放射性物質半減期は20日間、数年経てばほぼ無害化される」と会話されています。2016年の現代の日本では、この結末がとても空虚でむなしい物に感じられてなりません。

ストーリー的には何とも言えない本作ですが、ビジュアル面は素晴らしいのひと言でした。特に、ゴジラが初めてレーザーを吐いて都内を焼き尽くすシーンは鳥肌が立つほど。この演出は素敵ですね。途方も無い絶望感を味わうことができました。

また、ストーリーからはずれますが、、、本作、ゴジラが被害を与えた地域に縁があるか否か?で楽しめ具合がまるで違うんだろうな、と感じます。蒲田出身、川崎在住である筆者からすると、地元総出演と言った作品でした。序盤、ゴジラが蒲田を侵攻していく際には、「ああ、心の故郷である蒲田駅が……!」だとか「ピタットハウスが破壊された!」だとか、ゴジラよりも地元の街が破壊されていく様ばかりが目に付きました。 また、多摩川を最終防衛ラインとする多摩作戦では、京急の鉄道が宙を舞って六郷土手に落下する様がとても印象的で。普段、自分がランニングしているコースが無残にも瓦礫で埋まっていく様は圧巻でした。

最も印象的だったシーンは、本記事のタイトルにもしている『無人在来線爆弾』ゴジラに突撃していくシーンですね。そう、山手線、京浜東北線東海道線が目標=ゴジラに勢いよく突撃していくシーンです。いやはや、思わず声が出てしまうほど笑ってしまいました。togetterでも皆さまつぶやかれていますが、「お前ばっかじゃねぇの!最高だぜ!」と。心からそう思いました。

おわりに

賛否ありそうな本作ですが、採点は81点です。 ストーリーやキャスティングについては疑問符が付きますが、映像面が素晴らしく、『無人在来線爆弾』という渾身のギャグも飛び出し、筆者的には中々楽しむことが出来ました。何だかんだラストのシーンではボロ泣きでしたし(^_^;)

余談ですが、長谷川博己演じる矢口が、見た目、小泉進次郎に似ている様に感じました。自分の血筋をも利用してのし上がる、政治家向きのタイプという設定と相まって。

シン・ゴジラ音楽集

シン・ゴジラ音楽集

2016/09/12 鑑賞@TOHO CINEMAS 川崎